多人数の相続人

「相続人が多数存在するが,相続人同士が疎遠になっている」

「そもそも相続人がだれなのかも分からない」

このような悩みをお持ちの方,弁護士にご相談ください。

多人数の相続人

相続人多数の場合の遺産相続

生涯独身だった兄弟やおじ・おばが亡くなりました。そのような場合,財産の処分はどうすればよいでしょうか?

この場合,ご自身が相続人になる可能性があります。
法律上,亡くなった人(被相続人)に実子や養子がおらず,両親も亡くなっていれば,その兄弟姉妹が相続人となります。
特に,兄弟姉妹も高齢で,被相続人より先に亡くなっている人が多い場合は,その兄弟姉妹の子ども達(おい・めい)が相続人になるため,相続人が10人を超える等,多人数になることも多く見られます。

相続人が親兄弟だけの場合は,故人が遺言を残していなくても,遺産分割の話し合いはそれほど困難ではないかもしれませんが,相続人が多人数の場合は,様々な問題が生じます。

相続人多数の場合の問題点

遺産分割の話し合いをしようにも,相続人が誰か分からない。誰と遺産の話をすればよいのか?

故人とは数十年疎遠であったので,故人の遺したものに何があるのか分からない。

何とか,相続人の範囲は分かったが,連絡先が分からない。

相続人の連絡先は分かったものの,音信不通で連絡の取れない人がいる。

相続人に認知症の人がいるが,このまま手続を進めてしまっていいのか?

個人が遺したものに,はるか遠方の不動産があるが,これはどうやって分ければいいのか?

遺産の配分で,他の相続人ともめてしまった。

遺産の処理をするには,まず,相続人の範囲を知ること,相続財産の範囲を知ることが必要です。相続人の範囲を知るには,故人の出生から死亡までの戸籍謄本を取得する必要があります。ですが,他人の戸籍の取得は,人生においてそれほど機会があることではありません。

誰が相続人なのか分からない。そのような場合は,早期に専門家に相談した方がよいケースもあります。

相続手続について,様々な問題が生じる前に,まずは身近な専門家に相談することをお勧めします。

 

また,故人が遺したものが財産だけであればよいですが,多額の負債を残していた場合,相続人が責任を負わなければなりません。その場合,自身が相続人となったことを知った時から3箇月以内に相続放棄をしなければ,故人の負債を返済しなければならなくなる可能性があります。

相続放棄をするには,故人が亡くなったときに住んでいた地域の家庭裁判所に,相続放棄の申述という手続をする必要があります。故人に子どもがいない場合等は,故人の出生から死亡までの戸籍謄本等を提出する必要があり,手続も複雑になります。

 

相続放棄自体は,自身で手続を行うことも可能ですが,3箇月という期間制限があるため,早めに専門家に相談した方がよいでしょう。

弁護士に依頼した場合の処理方法

相続放棄を希望する相続人については,相続放棄の申述を代理して行います。また,相続人の一人から他の相続人に相続分を譲渡するなどし,遺産分割に参加する相続人の数を集約します。
その上で,遺産分割を行いますが,遺産分割協議書を持ち回りにすると,相続人が全国に分布している場合,大変な手間がかかります。そのため,持ち回りの必要がない遺産分割協議証明書を各相続人に署名捺印してもらうことで,遺産分割協議書に代用します。
もし,相続人の多数が賛同している遺産分割方針に反対する相続人がいる場合には,裁判所における遺産分割調停により,遺産分割を行います。その場合,預金債権は法律上当然分割となるため,自身の法定相続分について払戻の請求をすることはできます。
遺産分割協議が整ったら,遺産の不動産について,相続登記をします。
その他の財産について,各相続人に分配します。
相続人多数の相続手続については,おおよそ,以上のような流れとなります。

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